(難易度:★★★☆☆)
デザインやレイアウトがきれいな文書を作成することができても、誤字脱字が多かったり、文法的に問題があったりする文章では、読みづらく、文書の信頼度も下がってしまいます。Wordには文章を校正するためのツールがありますので、上手に利用して、読みやすい文書を作成しましょう。この記事では、Wordの文章校正ツールを紹介します。
※この記事は、Microsoft 365のWordを利用して説明しています。他のバージョンのWordでは、操作方法が異なる場合があります。
Word 文字カウント
レポートや原稿を作成する際には、多くの場合、文字数の制限があります。そのようなとき、文字数を自分でカウントしなくても、Wordが文字数をカウントしてくれます。左下部のステータスバーに文書全体の文字数が表示されます。また、その文字数をクリックすると、文字カウントというウィンドウが表示され、ページ数や段落数、行数なども含めて、詳細を確認することが可能です。
文字カウント
文章全体だけではなく、一部分の文字数だけをカウントすることもできます。文字列を選択すると、ステータスバーには、選択した箇所の文字数が表示されます。全体の文字カウントと同様に、ステータスバーの文字数をクリックすると、詳細が表示されます。
選択箇所の文字数
Word 表記の揺れ
同じ意味と音の単語が別の表記で書かれていたり、同じ音のカタカナが別の表記で書かれていたりすることを、表記の揺れといいます。下の例では、「水があります」「水が在ります」「水が有ります」と、「あります」の表記が3通りになっています。また、カタカナの表記は、「ウォーター」と「ウオーター」で、「オ」の大きさが違います。
これらを表記の揺れといい、Wordは常に監視をしています。表記の揺れがあると、自動的に青色の二重下線が付きますので、確認をしましょう。右クリックをすると、問題の内容と修正候補が表示されます。修正の必要がない場合には、「1回無視」を選択すると、下線が消えます。
表記の揺れ
表記の揺れは、1箇所ずつ確認するだけではなく、文書内の表記の揺れを一括して確認することもできます。校閲タブのリボンにある言語の項目で、表記ゆれチェックのアイコンをクリックします。表記ゆれチェックのウィンドウが表示され、一覧が表示されます。修正する内容を修正候補から選び、変更をクリックすれば、選択した表記のみ修正候補に変更されますし、すべて修正をクリックすれば、該当するすべての単語が一括で修正されます。
表記ゆれチェック
Word 誤字脱字
表記の揺れだけではなく、文法的な誤りや入力ミスについても、Wordは常に監視をしていますので、問題があれば、青色の二重下線や、赤色の波下線が表示されます。
下の例では、「食べれない」という「ら抜き言葉」や、「着てる」という「い抜き言葉」に青色の二重下線が付いています。口語では、「ら抜き言葉」や「い抜き言葉」は日常的に使われていますが、文法的には間違いとされている表現です。
ほかにも、「~たり」は繰り返して使いますという注意書きが表示されていますし、「学校へに行きます」といったように入力ミスがあれば、赤色波下線が付きます。
文法的な誤りや入力ミス
文書全体でこういったチェックをしたい場合には、エディター機能を使います。校閲タブのリボンには文章校正という項目があります。ここのエディターをクリックすると、エディターという画面が表示され、文書全体の修正点を確認できます。上の例をエディター機能で確認すると、誤りのチェック1件、表現の推敲3件と表示されます。
エディター
Word 検索と置換
ここでは余談として、文章校正の機能からは少し離れますが、文書内の単語を一括して別の単語に置き換える方法を紹介します。この場合は、「置換」機能が便利です。下の例では、「車」と「クルマ」があり、表記の揺れが生じていますので、「クルマ」に統一したいとします。ホームタブのリボンにある編集の項目で、置換をクリックすると、検索と置換というウィンドウが表示されます。この機能を使えば、文書中にある「車」を検索することができ、1つずつ確認しながら「クルマ」に置き換えることが可能です。
検索と置換
Word 文章校正の設定
最後に、文章校正の設定方法を説明します。すでに説明をした表記の揺れや文法的な誤りなどのチェックですが、該当するような表記があっても、Wordのチェックに引っかからないことがあります。これは、設定によって、校正のレベルを変更できるためです。
文章校正の設定をするには、ファイルタブから「その他」の「オプション」をクリックし、文章校正を選択します。その中に、文章のスタイルという項目がありますので、これを変更すると、校正のレベルを変更できます。「くだけた文」から「通常の分(校正用)」に変更すると、校正の基準が厳しくなります。さらに詳しく校正内容を設定するためには、文章のスタイルの右側にある「設定」を使います。
文章校正の設定
まとめ
この記事では、Wordの文章校正ツールを紹介しました。Wordの機能を上手に利用して、読みやすい文書を作成しましょう。ただし、Wordの機能を過信するのは禁物です。やはり最後は、ご自身で読み直して、確認することをおすすめします。Wordの操作(導入編) Wordでできること【第1章,難易度★☆☆☆☆基本編】
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Word ページのレイアウト【第3章,難易度★★☆☆☆基本編】
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