今回発表された4つのプロセッサーは、主にゲーマーをターゲットにしており、AMDはハイエンドのRyzen 9 5900Xが前世代に比べて平均26%のFPS向上を実現すると主張しています。また、Ryzen 5000シリーズは、ゲーミング、シングルスレッド、マルチスレッドの各性能において、インテルの同等機種よりも高速であるとしています。
以下はRyzen 5000シリーズのスペック表です。参考に他のCPUのスペックも記載してあります。
Ryzen 5950X 5900X 5800X 5600Xの性能比較表
CPU型番 | コア/スレッド | ベース | ブースト | TDP | iGPU | L3 キャッシュ |
Ryzen 9 5950X | 16 / 32 | 3.4 | 4.9 | 105W | None | 64MB |
Ryzen 9 5900X | 12 / 24 | 3.7 | 4.8 | 105W | None | 64MB |
Ryzen 7 5800X | 8 / 16 | 3.8 | 4.7 | 105W | None | 32MB |
Core i9-11900K (KF) | 8 / 16 | 3.5 | 5.3 / 4.8 (TVB) | 125W | UHD Graphics 750 Xe 32EU | 16MB |
Core i9-10900K (KF) | 10 / 20 | 3.7 | 5.3 / 4.8 (TVB) | 125W | UHD Graphics 630 | 20MB |
Core i9-10850K | 10 / 20 | 3.6 | 5.2 / 4.8 (TVB) | 125W | UHD Graphics 630 | 20MB |
Core i9-11900 (F) | 8 / 16 | 2.5 | 5.2 (TVB) / 4.7 | 65W | UHD Graphics 750 Xe 32EU | 16MB |
Core i7-11700K (KF) | 8 / 16 | 3.6 | 5.0 (TB3) / 4.6 | 125W | UHD Graphics 750 Xe 32EU | 16MB |
Core i7-10700K (KF) | 8 / 16 | 3.8 | 5.1 (TB3) / 4.7 | 125W | UHD Graphics 630 | 16 MB |
Core i7-11700 (F) | 8 / 16 | 2.5 | 4.9 (TB3) / 4.4 | 65W | UHD Graphics 750 Xe 32EU | 16MB |
Ryzen 5 5600X | 6 / 12 | 3.7 | 4.6 | 65W | None | 32MB |
Core i5-11600K (KF) | 6 / 12 | 3.9 | 4.9 (TB2) / 4.6 | 125W | UHD Graphics 750 Xe 32EU | 12MB |
Core i5-10600K (KF) | 6 / 12 | 4.1 | 4.8 (TB2) / 4.5 | 125W | UHD Graphics 630 | 12MB |
Core i5-11400 (F) | 6 / 12 | 2.6 | 4.4 (TB2) / 4.2 | 65W | UHD Graphics 750 Xe 24EU | 12MB |
Ryzen 9 5950Xは先代R9 3950Xの直接的な後継チップとして、SMT対応の16コアを搭載し、32スレッドに対応しています。、ベース周波数は3400MHz、ターボ周波数は4900MHzです。2つの8コアチップレットによって実現されており、それぞれに32MBのL3キャッシュ(合計64MB)が搭載されています。Ryzen 9 5950XのTDPは、Ryzen 9 3950Xと同じ105Wです。
Ryzen 9 5900Xは5950Xと比較して、コア数とスレッド数は減っているもののクロックスピードはほぼ同じで、ブースト周波数は100MHz下がり、ベース周波数は300MHz上がりました。L3キャッシュは合計64MBとなっています。
Ryzen 7 5800Xは8コア16スレッド、ベース周波数は3800MHz、定格ターボ周波数は4700MHzで、シングルチップレットを採用し合計32MBのL3キャッシュを搭載しています。
Ryzen 5 5600Xは6コア12スレッドで、ベース周波数3700MHz、ピークターボ4600MHzで動作し、5000シリーズの中で唯一TDPが65WのCPUです。
ちなみに5950X 5900X 5800XはCPUクーラーが付属しなくなりました。5600XはWraith Stealth Coolerが付属しています。一貫して言える事は驚異的なワットパフォーマンスでしょう。ハイエンドの5950Xや5900Xは10コア20スレッド以上にもかかわらずTDPが105Wと低く、Intelの最新モデルに対して大きくリードしています。具体的な数値を次の項目で見ていきましょう。
Ryzen 5950X 5900X 5800X 5600Xの実物写真
右側のBOXがRyzen 9 5950Xで、左が3950Xです。サイズ感は一回り小さくなりました。
内容物一覧。
CPU本体を並べてみました。左から5950X、4750G、3900Xとなっています。ソケットはすべて同じなので見た目もあまり変化が有りません。
Intel Core i7-10700Kとの比較。左側の5950Xは10700Kより一回りぐらい大きくずっしりとしている印象です。
Ryzen 5950X 5900X 5800X 5600Xのベンチマーク性能比較
まずはじめに海外で検証されたベンチマーク結果を見ていきましょう。
まず、Cinebench R20の結果です。マルチコアとシングルコアに分かれています。
シングルコア性能 (Cinebench R20)
型番 | ベンチマーク |
Ryzen 9 5950X |
|
Ryzen 9 5900X |
|
Ryzen 7 5800X |
|
Intel Core i9-11900K |
|
Intel Core i7-11700K |
|
Intel Core i5-11600K |
|
Ryzen 5 5600X |
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Intel Core i9-10900K |
|
Intel Core i5-11400F |
|
Ryzen 9 3950X |
|
Intel Core i7-10700K |
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Ryzen 7 3700X |
|
Ryzen 5 3600 |
|
Intel Core i5-10600K |
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Intel Core i7-7700K |
|
Intel Core i3-10100 |
|
Intel Core i5-10400F |
|
Ryzen 5 2600 |
|
Ryzen 5 1600 |
|
Ryzen 9 5950Xについて、AMDは最大ブーストクロック周波数を4.9GHzとしていますが、Cinebenchのシングルコアテストでは、5950Xは通常5GHz(正確には5050MHz)で動作しました。これは宣伝されているスペックを150MHz上回っています。3950Xよりも20%も性能が向上しています。
Ryzen 9 5900XはCinebenchのシングルコアテストでは、5900Xは通常4.9GHzで動作しており、これは広告スペックを100MHz上回っています。Cinebench R20で5900Xが10900Kよりもはるかに高速で、シングルスレッド性能が16%向上していることがわかります。また、3950Xと比較しても20%向上しており、5950Xと同様のシングルコアスコアであることから、強力なゲーム性能が期待できます。
Ryzen 7 5800XもCinebenchのシングルコアテストで通常4.85GHzで動作しており、広告のスペックを150MHz上回っていました。Core i9-11900Kと同じスコアで、前世代のハイエンドRyzen 9 3950Xよりも17%もアップしています。
Ryzen 5 5600Xはベンチマークテスト中、通常4.65GHzで動作し、これは広告のスペックを50MHz上回っています。3950Xより高いスコアを出しているのは驚きです。Zen 3アーキテクチャーの完成度の高さを窺えます。
シングルコアの弱さは前回の3000番台Ryzenまで指摘されていましたが、その辺りが大きく改善されたと言えるでしょう。インテルのハイエンド11900Kや10900Kを大きくリードしています。
マルチコア性能 (Cinebench R20)
型番 | ベンチマーク |
Ryzen 9 5950X |
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Ryzen 9 3950X |
|
Ryzen 9 5900X |
|
Intel Core i9-10900K |
|
Ryzen 7 5800X |
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Intel Core i9-11900K |
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Intel Core i7-11700K |
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Intel Core i7-10700K |
|
Ryzen 7 3700X |
|
Ryzen 5 5600X |
|
Intel Core i5-11600K |
|
Intel Core i5-11400F |
|
Ryzen 5 3600 |
|
Intel Core i5-10600K |
|
Intel Core i5-10400F |
|
Ryzen 5 2600 |
|
Ryzen 5 1600 |
|
Intel Core i7-7700K |
|
Intel Core i3-10100 |
|
Ryzen 9 5950Xは驚異の10000ポイント超えとなりました。3950Xと比較すると、パフォーマンスが10%向上していることがわかります。インテルの10900Kと比較すると、ほぼ60%の性能向上、11900Kとでは70%の性能アップとなっていて断トツです。
Ryzen 9 5900Xは3950Xよりもわずか8%遅くなっています。しかしCPUのコア数が25%少ないことを考えると、素晴らしいスコアです。同じ価格帯のCore i9-10900Kと比較すると、コア数が20%少ないにもかかわらず5900Xは32%も速くなっています。
Ryzen 7 5800Xは3700Xよりも23%速くなったことになります。10700Kと比較すると、どちらのチップも8コア16スレッドを搭載しているにもかかわらず、AMDの新しい5800Xは20%も速くなっています。実際5800Xは、コア数が25%多い10900Kよりも6%遅いだけです。
Ryzen 5 5600Xは3600よりも19%、Core i5-10600Kよりも24%高速であることがわかります。既存の6コア、12スレッドのプロセッサーと比較しても、Ryzen 5 5600Xがもたらすパフォーマンスの向上は大きく、8コアのCPUパフォーマンスに非常に近いものとなっています。例えば、5600XはRyzen 7 3700Xよりも9%、Core i7-10700Kよりも10%遅いだけで、コア数が25%少ないにもかかわらず、驚異的な結果となっています。
マルチコア性能は前回の3000番台RyzenでIntelを大きく上回っていましたが、今回はそれを更に引き離したような形です。ハイエンドの5950Xのスコアは10000を超えており、TDPが105Wである事を考えると驚異的な進化と言えるでしょう。
Adobe系ソフトウェアにおけるレンダリング性能
Puget Systemsから出ているAdobe Photoshop、Premiere Pro、After Effectsのベンチマークを行い、その平均値をグラフにしました。
型番 | ベンチマーク |
Ryzen 9 5950X |
|
Ryzen 9 5900X |
|
Intel Core i9-11900K |
|
Ryzen 7 5800X |
|
Intel Core i9-10900K |
|
Ryzen 9 3950X |
|
Intel Core i5-11600K |
|
Ryzen 5 5600X |
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AMD Ryzen 7 5700G |
|
AMD Ryzen 5 5600G |
|
Intel Core i5-11400F |
|
Intel Core i9-10700K |
|
AMD Ryzen 7 3700X |
|
Intel Core i5-10600K |
|
AMD Ryzen 5 3600 |
|
Intel Core i5-10400F |
|
AMD Ryzen 5 2600 |
|
AMD Ryzen 5 3400G |
|
Ryzen 9 5950Xは3950Xと比較して約15%の性能向上、11900Kとは約4%アップとなりました。PhotoshopやAfter Effectsはシングルスレッド性能に大きく依存するアプリケーションですが、Zen 3アーキテクチャーではこの点が大幅に改善されているためシングルコアの性能の差がよく表れています。
Ryzen 9 5900XはRyzen 9 5950Xとほぼ同等の性能でした。
Ryzen 7 5800Xは3700Xに22%の差をつけて圧勝しています。また、10900Kよりも7%、10700Kよりも20%速い結果となりました。5800X、5900X、5950Xはいずれも同じようなシングルコア性能を備えているため、このベンチマークではあまり大きな差が無いことがわかります。
Ryzen 5 5600Xは3600よりも18%、3700Xよりも11%高速で、インテルのCore i5-10600KやCore i7-10700Kを上回っています。
こちらの表はそこまでIntelと差があるわけではないですが、無難に勝っている印象。
消費電力
Blenderを使用しているときの消費電力を見てみましょう。スコアが少ないほうが消費電力に優れています。
型番 | ベンチマーク |
AMD Ryzen 5 3600 |
|
Intel Core i7-7700K |
|
Intel Core i5-10400 |
|
AMD Ryzen 5 1600 |
|
AMD Ryzen 5 2600 |
|
Ryzen 5 5600X |
|
AMD Ryzen 7 3700X |
|
Intel Core i5-10600K |
|
Ryzen 7 5800X |
|
Ryzen 9 5950X |
|
Ryzen 9 3900X |
|
Ryzen 9 5900X |
|
Intel Core i7-10700K |
|
Ryzen 9 3950X |
|
Intel Core i9-10900K |
|
Ryzen 9 5950Xは、同じ7nmプロセスを使用してわずかに高いクロックスピードで動作しているにもかかわらず、同じテスト条件で3950Xよりも12ワットほど少ない結果になっています。実際3950Xよりも6~7度低い温度で動作しました。インテルの10コアのCore i9-10900Kと比較すると、25%の消費電力の削減になります。
Ryzen 9 5900Xは3900Xの電力使用量と同じでしたが、性能はアップしています。しかも3900Xよりも7~8度低い温度で動作していました。さらに、10900Kと比較すると、5900Xはシステムの総消費電力を23%削減しました。
Ryzen 7 5800Xの消費電力は3700Xよりも約20ワット多く13%の増加ですが、前述のAdobe系のベンチマークで見たように、22%のスコアアップなので効率という点では非常に優れています。
Ryzen 5 5600XはTDP 65ワットの効果がよくわかります。3600から7ワット増加していますが、Adobe系のベンチマークでは18%のスコアアップです。10600Kなどの競合するインテル製パーツと比較すると、電力効率が大幅に向上していることがわかります。ストレステストでのピーク温度は63℃と、3600Xよりも10℃低く、電圧は同じでも平均クロックスピードが500MHz近く向上していることを考えると感心します。
ハイエンドの5950XとRyzen 9 5900Xのワットパフォーマンスは特に驚異的と言えるでしょう。
Ryzen 5950X 5900X 5800X 5600Xのゲーミング性能
Ryzen 5000 シリーズのゲーミング性能を見ていきましょう。様々なゲームを起動したときのFPSの平均値をグラフで見てみたいと思います。
GPUは RTX 3090を使用しています。ゲームの設定は1080pの最高画質設定です。
型番 | ベンチマーク |
Ryzen 9 5950X |
|
Ryzen 9 5900X |
|
Ryzen 7 5800X |
|
Intel Core i9-10900K |
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Intel Core i9-11900K |
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Ryzen 5 5600X |
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Intel Core i7-11700K |
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Intel Core i7-10700K |
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Intel Core i5-11600K |
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Intel Core i5-11400F |
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Intel Core i5-10600K |
|
Intel Core i5-10400F |
|
Ryzen 9 3950X |
|
Ryzen 7 3700X |
|
Ryzen 5 3600 |
|
Intel Core i7-7700K |
|
Ryzen 9 5950Xと10900Kはわずか3%の差なので性能面ではほぼ同じです。また3950Xよりも22%高速であることがわかります。素晴らしい世代交代が行われています。ちなみにインテルは消費電力が大きく、作業系ベンチマークではあまり良いスコアを出せませんでしたが、ゲーミングではAMDの最高機種と互角に戦うことができます。
Ryzen 9 5900XはRyzen 9 5950Xと同等のゲーミング性能を発揮しており、両者がほぼ同じfpsの平均値を記録しています。
Ryzen 7 5800XはRyzen 9 5900XとRyzen 9 5950Xよりもコア数スレッド数が少なく、L3 キャッシュも少ないですがゲーミング性能はほぼ同じです。ゲームの種類によっては5900Xと5950Xよりも良いfpsを出していました。
Ryzen 5 5600XはRyzen 7 5800Xよりも低いスコアですがその差は約3.5%だけです。8コアの3700Xと比較すると平均で19%、3600と比較すると26%のパフォーマンスアップが見られます。
5000番台のRyzenはIntelハイエンドに大きく勝っています。ハイエンドではない5800Xですら勝っているので、強いゲーミングPCが欲しい場合はこれ一択と言えるでしょう。
Ryzen9 5950X 、Core i9-10900Kの性能比較
ここからは実際に所有している実機で5950Xと10900Kの性能を比較していきましょう。
検証機の主要なパーツは以下のとおりです。
- CPU…AMD Ryzen9 5950X
- CPUクーラー…SCYTHE 虎徹 MarkⅡ
- GPU…RTX3080
- メモリ…G.Skill 8GB*2枚 合計16GBクロック数はメーカー保証の最大値(3200MHz )
- マザーボード…ASRock X570 Extreme4
- CPU…Intel Core-i9 10900K
- CPUクーラー…SCYTHE 虎徹 MarkⅡ
- GPU…RTX3080
- メモリ…G.Skill 8GB*2枚 合計16GBクロック数はメーカー保証の最大値(3200MHz )
- マザーボード…ASRock Z490 Steel Legend
CPU-Zの画像です。5950Xは3950Xと比較してコア数、スレッド数は変わっていませんが、キャッシュの構造が新しくなっています。
CHINEBENCH R23
CHINEBENCH R23のスコアを並べて表示しています。5950XはCPUのスコアが1万を超えています。個人向けのCPUで1万を超えたのはこの5950Xが最初です。前の3950Xで9500前後だったので大幅な性能アップと言えるでしょう。CPUのシングルコア性能でも628という高い数値を出しています。3950Xは490ほどだったのでシングルコア性能もアップしていることがわかります。10900Kと比較すると今までRyzenはマルチコア性能でIntelに差をつけていましたが、5950Xではシングルコア性能でも10900Kを超えてしまいました。凄い進化です。
この画像はCHINEBENCH R23を動かしているときの5950XのCPU温度を表示したものです。3950Xのときは真冬でも70℃前後まで上がっていましたが、5950XはMAXでも59℃まででした。この温度の低さで1万超えのスコアが出るのは驚きです。通常の空冷のCPUクーラーでも十分に冷えるCPUといえます。
システム全体の消費電力です。10900Kはピーク時で370Wほどですが、5950Xはピーク時でも190W前後でした。3950Xでも300W程なので、5950Xのワットパフォーマンスが驚異的に向上しています。
Time Spy Score
このベンチマークでは10900Kの方が高い数値になりました。トータルのスコアでは400ほど差が出ています。5950Xはグラフィックスコアで300ほど低く、CPUスコアでも1000ほど低い数値になりました。
Time Spy Extreme Score (4K)
4K画質になると5950Xの方が400ほど高いスコアを出しています。グラフィックスコアに差は出ませんでしたが、CPUスコアで5950Xが2000ほど上回っています。
FF14 ベンチマーク フルHD 標準設定
このベンチマークでは5950Xが5000ほど高いスコアを出しました。Intelの方がRyzenより高い数値が出るベンチマークでしたが、今回の5950Xは余裕でIntelの性能を上回りました。
FF14 ベンチマーク 4K 標準設定
4K設定でも5950Xが3500ほど高い数値になりました。
レインボーシックスシージ フルHD設定 中品質
5950Xが10900Kより50ほど高いFPSとなりました。
レインボーシックスシージ 4K設定 最高品質
4Kになると10900Kのほうが10ほど高いFPSを出しています。
Ryzen9 5950X 、Core i9-10900Kの性能比較 まとめ
5950Xのレンダリング性能はマルチ、シングル共に3950Xを上回りました。一般向けでは最高性能と言えます。ワットパフォーマンスの向上により、消費電力、発熱量が抑えられており、通常の空冷のCPUクーラーでも十分です。ゲーム性能では10900Kに対抗できるレベルになっており、5950Xのほうが10900Kより高スコアを出すタイトルも多くなっています。ゲームの設定や、GPUとの組み合わせによっても優劣は変わりますが、総合的に見て5950Xの方が高性能と言えるでしょう。
Ryzen9 5900X の性能検証
実機を使用して5900Xの性能を検証していきます。
検証機の主要なパーツは以下のとおりです。
- CPU…AMD Ryzen9 5900X
- CPUクーラー…SCYTHE 虎徹 MarkⅡ
- GPU…RTX3080
- メモリ…DDR4 3200MHz 8G×2
- マザーボード…MSI B550 Unify
レインボーシックスシージ
左がフルHD、中品質。右が4K設定のときのFPSです。フルHDでは600FPSを超える数値が出ました。プレイヤーが沢山表示されるような負荷が高い場面でも400FPSを下回ることは有りませんでした。4Kでも300FPS前後出ているので十分すぎる性能といえます。
フォートナイト フルHD 中品質
降下中の負荷がかかるシーンでも200FPS以上は出ていました。
室内でも400FPS以上出ています。場所によっては500FPS以上出る場面も有りました。
水面が映る負荷が高いシーンでも250FPSはキープされていました。
Apex Legends フルHD 中品質
リミッターを解除してある設定です。降下の負荷が一番かかるシーンでもMAXの300FPSに近い数値が出ています。室内でも屋外でも300FPS近い数値が出ていました。
PUBG フルHD 中品質
降下の負荷がかかるシーンでも400FPS近い数値です。
このゲームは非常に重いゲームですが、開けた屋外でのシーンでも250FPS前後の高い数値が出ていたので十分と言えるでしょう。
VALORANT フルHD 中品質
屋外では400FPS以上の高い数値が出ています。室内でも500FPSを超える場面も多かったです。
Adobe系のソフトウェア性能
Photoshopはサクサク快適に動きます。
Premiere Proでは、5分の4K動画を2分弱で書き出しすることが可能。
After Effectsも全く問題なく動きます。
CHINEBENCH R20
レンダリング系のCHINEBENCH R20を起動したときのスコアです。マルチスコアもシングルスコアも高水準です。
Ryzen9 5600X の性能検証
実機を使用して5600Xの性能を検証していきたいと思います。
- CPU…AMD Ryzen9 5600X
- CPUクーラー…SCYTHE 虎徹 MarkⅡ
- GPU…RTX3060Ti OC
- メモリ…DDR4 3200MHz 8G×2
- マザーボード…MSI B550 TOMAHAWK
レインボーシックスシージ フルHD設定 低品質
ベンチマーク結果では630FPS出ているので、十分すぎる性能だといえます。。
実際のゲームの画像です。室内のシーンでは大体500FPS前後。プレイヤーが複数表示されるシーンでは450FPS前後でした。どんなに負荷がかかっても400FPSを下回ることはなかったので、非常に快適にプレイすることができます。
フォートナイト フルHD 中品質
降下中の一番負荷がかかるシーンでも250FPS前後出ています。
室内のシーンでは400FPS前後。室内のような遠方のオブジェクトが表示されないような場所では600FPSが出ることも有りました。
Apex Legends フルHD 低品質
フレームレートのリミッターを解除して検証しています。降下時の負荷がかかるシーンでは250FPS前後。
プレイヤーが複数人表示されるシーンでは230FPS前後。このゲームは300FPSがマックスですが、ゲーム終盤にいくにつれて負荷が高くなったり、スモークが焚かれたりしたようなシーンでも、最低でも200FPS前後はでているので快適にプレイすることができます。
PUBG フルHD 低品質
このゲームは非常に重たいゲームの一つですが、降下中の一番負荷がかかるシーンでも500FPS前後。
室内では300FPS前後。屋外では250FPS前後出ています。プレイヤーが複数表示されるシーンでも200FPS前後は出ているので快適にプレイすることができます。
Adobe系のソフトウェア性能
Photoshopはサクサク快適に動きます。
Premiere Proでは、5分の4K動画を2分ほどで書き出しすることが可能。
After Effectsも全く問題なく動きます。
CHINEBENCH R23
レンダリング性能を測るCHINEBENCH R23のベンチマーク結果です。1万スコアを超えており十分な性能です。シングルコアスコアでも1500近い数値が出ているので、ゲーム性能はもちろん、クリエイター系のソフトも不自由なく扱えるでしょう。
まとめ
AMDは、約2年前にRyzen 9 3950Xでインテルを苦しめました。その完全上位互換であるRyzen 9 5950Xの性能はとても素晴らしい物となっています。ゲーム性能を重視するのであれば、Ryzen 9 5950Xはオーバースペックです。より手頃な価格の5900Xや5800Xでも、同程度のパフォーマンスを得ることができます。ゲームのためだけにRyzen 9 5950Xを購入するのは無意味ですが、コア数の多いプロセッサーを搭載することでパフォーマンスが低下することはないので、予算に余裕があるゲーマーにとっては有効な選択肢となります。この新しい16コアプロセッサーの真価が発揮されるのは、仕事と遊びを両立させたい人であり、その両方に取り組むには、今のところこれ以上の選択肢はありません。
Ryzen 9 5900Xは、Ryzen 9 5950Xよりお財布に優しいCPUで、ハイエンドシステムの構築を検討している人にとっては、おそらく2つのうちでより人気のあるCPUでしょう。問題は、ゲーマーにとって10900KとRyzen 9 5900XのどちらのCPUを購入すべきかということです。大多数の人にとっては、実質的な違いはありません。性能はほぼ同じで、CPUに制限がある場合でも、99%は違いがわからないでしょう。将来のことを考えると、5900Xの方が全体的にパワフルで、コア数も多いです。更に5900Xは電力効率が高いというメリットがあります。また、新しいマザーボードではPCI Express 4.0がサポートされているので、その恩恵を受けることができるでしょう。
Ryzen 7 5800Xは性能については申し分ありませんが問題になってくるのは値段設定です。5800Xと5600Xはおよそ2万円ほどの差があり、その隙間に10700K、11700K、10900Kが選択肢として入って来ます。
Ryzen 5 5600XはIntel Core i5-10600Kより全体的に良いスコアをだしており、より価値のある製品であることがわかります。しかし、最大のライバルはRyzen 5 3600かもしれません。性能が大幅に向上していることは確かですが、価格が50%も上がっているからです。ゲームではほとんどの場合GPUを使用することになるため、現実にはこの2つの間でゲーム性能は非常に近いものになります。安いRyzen 5 3600を購入して差額をGPUに廻すことも出来ます。ちなみにRyzen 5 5600Xと3700Xのどちらかを選べるなら、絶対に5600Xを選ぶべきだと思います。ゲームでは5600Xの方がはるかに優れていますし、様々な場面でZen 3アーキテクチャーの恩恵を受けることができるからです。
参考
https://www.youtube.com/c/Monoras
https://www.techspot.com/
https://www.techpowerup.com/
- 自作PC予算別まとめ20選!見積もり,作り方,組み立てをプロが解説…https://artjuku.com/pc-make/
- おすすめ最新CPUと選び方…https://artjuku.com/cpu/
- CPU比較表…https://artjuku.com/cpu-compare/
- おすすめ最新GPUと選び方…https://artjuku.com/gpu/
- GPU比較表…https://artjuku.com/gpu-compare/
- マザーボードおすすめ,選び方…https://artjuku.com/board/
- SSDおすすめ,選び方…https://artjuku.com/ssd/
- モニタ,ディスプレイ選び方…https://artjuku.com/monitor/
- PCメモリおすすめ,選び方…https://artjuku.com/memory/
- CPUクーラーおすすめ,選び方…https://artjuku.com/cooler/
- PCケースおすすめ,選び方…https://artjuku.com/case/
- 電源ユニットおすすめ,選び方…https://artjuku.com/unit/











