(難易度:★★★★☆)
PowerPoint(パワーポイント)はMicrosoft社が提供している、プレゼンテーション用資料作成のために作られたソフトソフトウェアです。
今回は画像・動画の利用方法について説明します。
特に画像をPowerPoint上で取り扱うときに、画像編集ソフト程自由にはいきませんが簡単な画像の加工等も行うことができるような機能が準備されています。スライドショーでは画像活用の効果が大きいためここで紹介する一部の操作は必須技術になると思います。ぜひ習得しましょう。
PowerPoint 画像の貼付け方法
PowerPointでは画像を貼り付けることが頻繁に発生します。貼り付け自体は他のソフトのコピーアンドペーストと同じですが、貼り付け形式の選択等PowerPointならではの設定も存在します。ここではその設定内容について、要点を説明します。
まずは画像の貼り付けを行う方法です。まずは元画像をコピーし、スライド上で右クリック→貼り付けにて貼り付ければまずは画像の貼り付けは完了です。もちろんショートカットキーを使って、Ctrl+Vで貼り付けを実行しても構いません。
このときの貼り付け方法は、貼付元の様式で貼り付けられることが多いですが、貼り付けの形式を指定することができます。これを実施するには、”ホーム”タブの「貼り付け」から、形式を選択して貼り付けを実施します。これはショートカットキーを用いて、Ctrl+Alt+V でもOKです。ここで選べる形式について、よく使うものについて簡単に説明します。
形式を選択して貼り付け
図(JPEG、GIF、PNG、SVG)
図としての貼り付けは記載通りの形式で貼り付けることができます。当然GIF動画をJPEGで貼り付けると静止画になる等、元動画の性質を考えて選ばなければなりませんが、簡易的に図として扱う場合は好みで利用して問題ありません。
形式を選択した貼り付け例
ちなみに筆者は画像を軽量化したいときはJPEGを選択、縮小/拡大を想定する画像は後述する拡張メタファイルで貼り付けを実施することが多いです。
図(拡張メタファイル、Windowsメタファイル)
メタファイル形式とは目に見える画像以外にも情報を持たせられるファイルのことです。詳細の理解はここでは必要ないので説明は省きますが、Windowsメタファイルは16ビットグラフィック、拡張メタファイルは32ビットグラフィックとして扱われます。拡大しても画像がぼやけない画像として貼り付けることができますが、画像が重くなるため精細な描画が必要な画像のみ使用することをおススメします。
メタファイル形式の貼り付け例
図形を利用して描いた図を画像として取り扱うことも例としては少なからず出てきます。その場合、各形式ではどのような反映のされ方をするか比較しました。今回は効果が見て取りやすいアイコンを利用して比較しています。下図の上段一番左がオリジナルのアイコンで、右に並ぶ画像は貼り付け結果を表します。2段目、3段目はそれぞれを枠線赤を追加し、さらにそのあとで赤塗りつぶしの効果を追加した結果です。
各画像形式における貼り付け例
このように、背面画像の透過性、枠線の位置、塗りつぶし範囲など画像毎に反映のされ方が異なります。画像貼り付け時はこれらと合わせて持たせたい精細度・機能・およびファイルサイズを吟味し、形式を選択しなければならないのです。
図(ビットマップ、デバイスに依存しないビットマップ)
ビットマップとして貼り付けたいときはこのどちらかを利用します。ビットマップの方はWindowsで指定するビットマップ形式で貼り付けます。一方デバイスに依存しないビットマップはどのソフトウェアでも使用できるビットマップ形式で貼り付けます。数百万色で表示を想定したWindowsのビットマップ形式はWindowsに特化した形式ではないですが、未対応のソフトウェアでも正しく表示する必要がある場合はデバイスに依存しないビットマップを選びましょう。
PowerPoint 画像の編集方法
PowerPointでは簡単ですが、画像編集も実施できます。前節で画像貼り付けまでは実施できると思いますので、貼り付けた画像の書式設定方法と、画像編集の方法についてよく使う機能を中心に説明します。
画像サイズの編集
画像サイズの編集方法は簡単です。画像を選択したときに画像の淵に現れる8点をクリックアンドドラッグすればサイズを調整できます。
画像サイズの変更
枠線の編集
画像の外枠に線を引くことができます。線の種類、色、太さを選択できます。
枠線の設定例
影・反射・ぼかし・3D
画像に影を付けたり、水面に画像が映っているような反射を表現する画像の加工を実現できます。具体的には画像を右クリックし、画像の書式設定をクリックします。右側にプロパティウィンドウが出現するので、その中のペンのマークをクリックし各種設定を行うことで簡単に実施できます。
書式設定手順と結果の例
修整・透明度
画像全体の明るさ、コントラストや透明度は、”図の形式”タブ内の「修整」ボタン、「透明度」ボタンをクリックすることで数段階で選択できます。
修整・透明度の設定例
アート効果・色
画像にアート効果や画像の基調色を変更することができます。”図の形式”タブ内の「アート効果」ボタンや「色」ボタンから効果を選択します。
アート効果・色の設定例
PowerPoint トリミングのやり方
最後にこちらも画像編集の一つにはなるのですが、トリミングのやり方について説明します。基本的に画像はそのまま全体を使用することの方が少ないと考えられます。そんな時に役に立つのがトリミング機能です。必要な部分だけを切り出して画像として扱えるようになります。
やり方は対象の画像を選択し、”図の形式”タブよりトリミングを選択します。すると選択されている画像の囲み方が変わり黒いカギかっこでくくられるようになります。この状態で選択範囲を狭めることで画像の表示範囲を指定することができるようになります。
トリミング手順例
トリミングされた画像は、トリミングを選択しない限り普通の画像として扱えます。ただし一点注意点があります。
画像の取り扱いとしては切り取られた範囲ですが、画像データとしては切り取られた範囲も含め画像全体が保存されるためデータサイズは大きくなります。またもし切り取った範囲内に機密情報などが入った状態でパワーポイントを客先等へ送付した場合、トリミングの設定から機密情報が漏洩してしまう可能性があります。
そのため、トリミングされた領域は削除した状態で資料作成をする癖をつけることをおススメしています。そのやり方をひとつ紹介します。
それはトリミング済みの画像を切り取り、形式を選択して図として貼り付けることです。これにより見えている部分だけが図として扱われるため、トリミングされた部分は切り落とされます。
トリミング領域の削除例
PowerPoint 動画の貼り付け
最後に動画の貼り付けについて紹介します。始めに断っておきますが、ファイルが非常に重くなってしまうので動画はPowerPoint上に載せないことをおススメします。環境が許すならば、別ファイルを開いて共有するようにしましょう。とはいえ、短い動画であれば軽いので載せたい、重くなってしまうが環境が許さないため動画をスライドに載せる必要があるなど状況によっては参考にしてください。
動画をスライドに載せる方法は、スライド上に動画ファイルをドラッグアンドドロップするか、”挿入”タブ内の「ビデオ」ボタンより動画ファイルを指定して貼り付けます。対応している拡張子は、.asf、.avi、.mp4、.m4v、.mov、.mpg、.mpeg、.swf、.wmvです。
動画の挿入方法例
貼り付けられた動画は、機能は限定されますが画像と同じような編集ができ、トリミングも可能です。ここではビデオに関する詳細の設定方法は説明を省きますが、必要な処理をしたうえで、スライド上に配置しましょう。再生ボタンを押せば再生できます。
以上で動画の設定は完了となります。
まとめ
本ページではPowerPointにおける画像・動画の利用方法について説明しました。
スライドショーでは画像を用いることが非常に多くなります。画像の加工方法には様々な方法がありますが、ここで紹介した方法も実用的な方法と考えていますので、是非ご参考ください。
図形と画像の取り扱いが一通りできるようになれば、ほぼ思うように資料を作成できるようになります。また動画をスライドショーに載せる選択肢を持つことでPowerPointの使い方の自由度は向上します。
目的にあったスライドを作成するための知識としてご活用いただき、一段階レベルの高い資料作成を目指しましょう。PowerPointでできること操作,導入など【第1章,難易度★☆☆☆☆基本編】
PowerPoint 基本操作,名称,スライド編集など【第2章,難易度★★☆☆☆基本編】
PowerPoint スライドショーの設定【第3章,難易度★★★☆☆基本編】
PowerPoint 表・図の描画【第4章,難易度★★★☆☆基本編】
PowerPoint 画像・動画の使用,挿入【第5章,難易度★★★★☆基本編】
PowerPoint アニメーションの設定【第6章,難易度★★★☆☆基本編】
PowerPoint スライドマスタの使用【第7章,難易度★★★★★応用編】
Word,ワード 使い方まとめ初心者~プロまで【全1章~8章】
PowerPoint,パワーポイント 使い方まとめ初心者~プロまで【全1章~7章】
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