「Rocket Lake」シリーズを大まかに紹介します。前世代とくらべてクロックごとの性能が向上しています。これを実現するために、インテルはプロセスを10nmのCPUとGPUの設計から14nmに戻しました。これは、14nmでなければ必要な周波数を実現できないからです。その代わり、この性能を実現するための新しいプロセッサーは、動作温度が高く、製造コストも高くなり、ハイエンドではコア数が2つ減りました。DDR4-3200をネイティブにサポートし、対応するマザーボードでは20本のPCIe 4.0レーンを提供します。各コアの性能表です。参考に他のCPUのスペックも記載してあります。
Intel 11世代11900K,11700K,11600K,11400Fの性能比較表
CPU型番 | コア/スレッド | ベース | ターボ | TDP | 内蔵GPU | L3 キャッシュ |
Ryzen 9 5950X | 16 / 32 | 3.4 | 4.9 | 105W | None | 64MB (2×32) |
Ryzen 9 5900X | 12 / 24 | 3.7 | 4.8 | 105W | None | 64MB (2×32) |
Ryzen 7 5800X | 8 / 16 | 3.8 | 4.7 | 105W | None | 32MB (1×32) |
Core i9-11900K (KF) | 8 / 16 | 3.5 | 5.3 / 4.8 (TVB) | 125W | UHD Graphics 750 Xe 32EU | 16MB |
Core i9-10900K (KF) | 10 / 20 | 3.7 | 5.3 / 4.8 (TVB) | 125W | UHD Graphics 630 | 20MB |
Core i9-10850K | 10 / 20 | 3.6 | 5.2 / 4.8 (TVB) | 125W | UHD Graphics 630 | 20MB |
Core i9-11900 (F) | 8 / 16 | 2.5 | 5.2 (TVB) / 4.7 | 65W | UHD Graphics 750 Xe 32EU | 16MB |
Core i7-11700K (KF) | 8 / 16 | 3.6 | 5.0 (TB3) / 4.6 | 125W | UHD Graphics 750 Xe 32EU | 16MB |
Core i7-10700K (KF) | 8 / 16 | 3.8 | 5.1 (TB3) / 4.7 | 125W | UHD Graphics 630 | 16 MB |
Core i7-11700 (F) | 8 / 16 | 2.5 | 4.9 (TB3) / 4.4 | 65W | UHD Graphics 750 Xe 32EU | 16MB |
Ryzen 5 5600X | 6 / 12 | 3.7 | 4.6 | 65W | None | 32MB (1×32) |
Core i5-11600K (KF) | 6 / 12 | 3.9 | 4.9 (TB2) / 4.6 | 125W | UHD Graphics 750 Xe 32EU | 12MB |
Core i5-10600K (KF) | 6 / 12 | 4.1 | 4.8 (TB2) / 4.5 | 125W | UHD Graphics 630 | 12MB |
Core i5-11400 (F) | 6 / 12 | 2.6 | 4.4 (TB2) / 4.2 | 65W | UHD Graphics 750 Xe 24EU | 12MB |
10コア/20スレッドのCore i9 10900Kとは異なり、11900Kは8コア/16スレッドで、16MBのL3キャッシュを搭載し、TDPは125ワットとなっています。L3キャッシュが少なく、コア数も少ないにもかかわらず、市場価格は2万円以上も上昇しています。。コア数が20%少ないのに値段が上がっているのは非常に残念です。
Core i7-11700K は、Core i9-11900Kと同じ8コア16スレッドのシリコンを使用していますが、いくつかの重要な違いがあります。ピーククロック周波数が11900Kに比べて300MHz低い5.0GHzになり、低レイテンシーのGear 1モードではメモリのピーク周波数が低くなり、TVB(Thermal Boost Velocity)とABT(Adaptive Boost Technology)のサポートがなくなっています。
Core i5-11600Kは、6コア12スレッドで、2つのコアでピークの4.9GHzまでブーストし、4.6GHzのオールコア周波数を維持できます。11600KのPL1は125Wで、前世代の10600Kと同じですが、PL2は251Wで、従来の182Wに比べて69Wも増加しています。
Core i5-11400Fは6コア12スレッドでCore i5 11600Kと比べるとベースクロックの差は大きく感じますが、ターボ周波数になると0.50GHzの差しかありません。
全体を比較すると、旧世代のCPUに対してそれぞれの価格帯のCPUで少しずつ性能が上がっているのですが、ハイエンドのみ旧ハイエンドに対してコア数スレッド数が退化しているような状態です。これは11900Kのシングルコア性能強化の発熱にこれ以上コアを増やすと耐えられなかった為でしょう。
Intel 11世代11900K,11700K,11400Fの実物写真
左から、Core i5-11400F、Core i7-11700K、Core i9-11900KのBOXです。毎回IntelはハイエンドのCore i9のボックスに色々趣向を凝らしていますが、今回のBOXはギザギザの形をしておりインパクトがあります。
左が11900K、右が10900KのCPU本体の画像です。両方とも同じSocket1200なのでサイズ感は変わりませんが、コンデンサーの位置が微妙に変わっているのがわかります。
こちらは11700Kの開封画像です。CPUクーラーはついていません。
こちらは11400Fの開封画像。CPUクーラーが付属しています。
左が今回11400Fに付属するCPUクーラー。プラスチックの質感が変わったり、黒一色にまとめられており前型より高級感を感じます。
Intel 11世代11900K,11700K,11600K,11400Fの3DCGレンダリング性能
では最初に、海外で検証されたベンチマーク結果を見ていきましょう。
まず、Cinebench R20の結果です。マルチコアとシングルコアに分かれています。
シングルコア性能 (Cinebench R20)
型番 | ベンチマーク |
Ryzen 9 5950X |
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Ryzen 9 5900X |
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Ryzen 7 5800X |
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Intel Core i9-11900K |
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Intel Core i7-11700K |
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Intel Core i5-11600K |
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Ryzen 5 5600X |
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Intel Core i9-10900K |
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Intel Core i5-11400F |
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Intel Core i7-10700K |
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Ryzen 7 3700X |
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Ryzen 5 3600 |
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Intel Core i5-10600K |
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Intel Core i7-7700K |
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Intel Core i3-10100 |
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Intel Core i5-10400F |
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Ryzen 5 2600 |
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Ryzen 5 1600 |
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11900Kは10900Kよりも14%速く、5900Xにはわずかに及ばないことがわかります。シングルまたは軽度のスレッドワークロードでは、11900Kが12コアのAMDプロセッサーに勝つことはないでしょう。
11700Kは10700Kと比較して約16%の性能アップ、11600Kは10600Kに比べて20%の性能向上という非常に素晴らしい結果が得られました。
11400Fは10400Fと比較すると、24%の性能向上が見られ、非常に印象的な改善です。11600Kは11400Fより11%速く、新しい第11世代のCore i5は第10世代の10400Fより25%速くなっています。
全体で見ると5800Xには勝てませんが5600X以上には食い込みます。
マルチコア性能 (Cinebench R20)
型番 | ベンチマーク |
Ryzen 9 5950X |
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Ryzen 9 5900X |
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Intel Core i9-10900K |
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Ryzen 7 5800X |
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Intel Core i9-11900K |
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Intel Core i7-11700K |
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Intel Core i7-10700K |
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Ryzen 7 3700X |
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Ryzen 5 5600X |
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Intel Core i5-11600K |
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Intel Core i5-11400F |
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Ryzen 5 3600 |
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Intel Core i5-10600K |
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Intel Core i5-10400F |
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Ryzen 5 2600 |
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Ryzen 5 1600 |
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Intel Core i7-7700K |
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Intel Core i3-10100 |
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11900KとRyzen 9 5900Xとの比較は非常に残念な結果です。このテストではなんと42%もの差をつけられています。この差は決して小さくはなく、同じ価格帯での同じハイエンドCPUと考えると、11900Kへの購買意欲がそそられることはまずありません。
11700Kと5800Xの差は約6%に落ち着いており健闘しています。
11600Kは11400Fに比べて9%ほど高速です。それぞれの基本性能が11400Fはオールコア周波数4.2GHzで動作し、11600Kはオールコア周波数が4.6GHzと10%高くなっており、その周波数の差がそのままスコアに反映されているのがわかります。
また、11400FはRyzen 5 3600よりも6%高速で、Zen 2ベースのRyzen 5プロセッサーと比較して、11世代Core i5プロセッサーはすべてスコアを上回っています。10400Fと10600KはRyzen 5 3600よりもかなり遅かったので、この点ではインテルの技術の進歩が伺えます。
こちらも全体を通してみるとRyzenが優勢と言えるでしょう。シングルコア性能同様に5800Xにはかなわない序列です。
Adobe Premiere Pro映像レンダリング性能
Puget Systemsから出ているAdobe Premiere Proのベンチマーク結果です。
型番 | ベンチマーク |
Ryzen 9 5950X |
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Ryzen 9 5900X |
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Ryzen 7 5800X |
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Intel Core i9-10900K |
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Intel Core i9-11900K |
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Intel Core i7-11700K |
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Ryzen 5 5600X |
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Intel Core i7-10700K |
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Intel Core i5-11600K |
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Intel Core i5-11400F |
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Intel Core i5-10600K |
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11900Kは10900Kと同等のパフォーマンスを実現しましたが、5900Xと比べて13%も遅い結果となりました。
11700Kは5800Xに約4%の差をつけられていますが、11700Kは価格が12%低いため、この性能差はかなりのものです。
11600Kは5600Xよりも若干安価ですが、性能面ではほぼ同じです。
11400Fは11600Kよりも8%遅くなりました。クロックの差がそのまま反映されているのはCinebenchのときと同じです。それでも10600Kよりは良いスコアをだしています。
こちらも全体を通してみるとRyzenが優勢と言えるでしょう。シングルコア性能同様に5800Xにはかなわない序列です。
消費電力
消費電力の表です。
型番 | ベンチマーク |
Intel Core i7-7700K |
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Intel Core i5-10400F |
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Ryzen 5 5600X |
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Intel Core i5-11400F |
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Intel Core i5-10600K |
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Ryzen 7 3700X |
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Ryzen 7 5800X |
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Intel Core i5-11600K |
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Ryzen 9 5950X |
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Ryzen 9 5900X |
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Intel Core i7-10700K |
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Intel Core i7-11700K |
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Intel Core i9-10900K |
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Intel Core i9-11900K |
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11900KはRyzen 9 5900Xと比較してPremiereでは13%も遅く、Cinebenchでは40%以上の差が有ることを確認しましたが、消費電力でも5900Xのほうが優秀であることがわかります。Ryzen 9 5900Xは11900Kよりも高性能かつ25%のシステム電力削減なので圧倒的と言えます。
11600Kは、生産性ベンチマークのほぼすべてで5600Xに匹敵する性能を発揮していますが、そのためにシステムの総使用電力が41%増加しています。
11400Fは、11600Kと比較してシステムの総消費量18%削減となっています。
全体で比較すると11900Kはワットパフォーマンスが前回のハイエンド10900Kに対して退化しています。
Intel 11世代11900K,11700K,11600K,11400Fのゲーミング性能
Intel 11世代のゲーミング性能を見ていきましょう。様々なゲームを起動したときのFPSの平均値をグラフで見てみたいと思います。
GPUは RTX 3090を使用しています。ゲームの設定は1080pの最高画質設定です。
型番 | ベンチマーク |
Ryzen 9 5950X |
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Ryzen 9 5900X |
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Ryzen 7 5800X |
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Intel Core i9-10900K |
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Intel Core i9-11900K |
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Ryzen 5 5600X |
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Intel Core i7-11700K |
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Intel Core i7-10700K |
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Intel Core i5-11600K |
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Intel Core i5-11400F |
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Intel Core i5-10600K |
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Intel Core i5-10400F |
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Ryzen 7 3700X |
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Ryzen 5 3600 |
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Intel Core i7-7700K |
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ゲームの平均値を見てみると、インテルは第11世代のCoreシリーズとAMD Ryzen シリーズではAMDの5000シリーズが上位を独占しています。とはいえその差は僅かです。消費電力が大きく、作業系ベンチマークではあまり良いスコアを出せませんでしたが、ゲーミングではAMDの最高機種と互角に戦うことができます。しかし11900Kが10900Kに比べて2%の差をつけたように、全体的なパフォーマンスを低下させているので印象がよくありません。AMDは効率的な12コア、Intelは消費電力が高い8コアなので、11900Kを購入するメリットはあまり無いでしょう。
11700Kは前世代の10700Kとほとんど同じで性能の差を感じることが出来ません。
11600Kについて、全体的には10600Kから5%の改善が見られますが、5600Xが7%の差をつけてリードしています。
11400Fは11600Kよりもわずか4.5%遅いだけでした。Ryzen 5 3600よりも約13%早く、5600Xよりも約11%遅い、2つの製品の間に位置しています。
Intel 11世代11900K,10900K,Ryzen 9 5950Xの性能比較
ここからは実際に所有している実機で、11900K,10900K,Ryzen 9 5950Xの性能を比較していきたいと思います。
検証機の主要なパーツは以下のとおりです。
- CPU…Intel Core-i9 11900K,10900K
- CPUファン…SCYTHE 虎徹 MarkⅡ
- GPU…RTX3080
- マザーボード…Z590 ROG STRIX(前半)、Z590 CARBON WIFI(後半)
- CPU…AMD Ryzen9 5950X
- CPUファン…SCYTHE 虎徹 MarkⅡ
- GPU…RTX3080
- マザーボード…B550 TUF
CPU-Zの画像です。今回からCPUのコードネームがRocket Lakeになります。また、コア数スレッド数共に10900Kより少なくなっていることがわかります。両方ともTDPは125Wですが、5950Xは105Wなので消費電力に差が出るでしょう。
CHINEBENCH R23
11900KでCHINEBENCH R23 を動かしているときの発熱、消費電力を表示した画面です。ピーク時で47℃、消費電力も77Wとなり意外と控えめな結果となりました。
10900Kと5950Xの画面です。10900Kはピーク時で53℃、消費電力は85Wで11900Kより高くなっていることがわかります。5950Xはピーク時で51℃、消費電力は96Wでした。
すべてのCPUのベンチマーク結果を並べた画像です。11900Kのマルチコア性能が一番低い結果となりました。10900Kより1000低く、5950Xとの比較では半分以下というとても残念な数値です。11900Kのシングルコアは10900Kより100以上の性能アップですが、5950Xとほぼ同じ。先程の消費電力などの結果を合わせると、11900Kは性能を十分に発揮できていない印象です。一世代前の10900Kより性能が全く上がっていないどころか、実際下がっているのは闇を感じます。
CHINEBENCH R23の動かしているときのシステム全体の消費電力を表した画面です。TDPの割に11900Kが一番消費電力が低い数値となりました。5950Xは11900Kより16Wほど高いですが、性能は2倍以上と考えると驚異的なワットパフォーマンスであることがよくわかります。
Geekbench 5
Geekbench 5の検証結果です。シングルコア性能は11900Kが一番高い数値が出ました。10900Kより200ほど高い数値になっており、5950Xより100高い数値です。しかし反対にマルチコア性能では11900Kが一番低く、10900Kより600ほど低く、5950Xよりも5000も低い数値となっています。
Intel 11世代11900K,10900K,Ryzen 9 5950Xのゲーミング性能比較
FF14 ベンチマーク フルHD 標準設定
11900Kは10900Kより500ほど高く、5950Xより5000ほど低い数値になっています。比較的古いベンチマークですが、この解像度と設定では11900Kは5950Xに全く歯が立たない状況です。
FF14 ベンチマーク 4K 最高設定
この設定ではGPUに大きな負荷がかかるので、3つともほぼ同じ数値です。
Time Spy Score
このベンチマークでは11900KがCPUスコア、グラフィックスコア、トータルスコア全てにおいて最下位となりました。CPUスコアでは10900Kより800ほど低い数値となり、5950Xより1500ほど低い数値となりました。グラフィックスコアを見ると10900Kと5950Xに差は殆ど有りませんが、11900Kは200ほど低い数値になっていることから、11900Kはグラフィックカードの性能を十分に活かしきれないCPUであるということになります。ハイエンドCPUでこの結果は致命的と言えます。
Time Spy Extreme Score (4K)
CPUスコアにおいて5950XがIntel系のCPUの2倍弱ほどの高スコアを出しています。このベンチマークでも11900KがCPUスコア、グラフィックスコア、トータルスコア全てにおいて一番低い数値です。CPUスコアでは10900Kより500ほど低い数値となり、5950Xより3000ほど低い数値となりました。グラフィックスコアで一番スコアが低いことから11900Kがボトルネックの原因となっていることに間違いないでしょう。
レインボーシックスシージ フルHD設定 低品質
11900Kは10900Kより50低く、5950Xより200ほど低い数値になっています。最低FPSも最高FPSの数値も11900Kが一番低く、性能の低さがよくわかります。
レインボーシックスシージ 4K設定 最高品質
4Kで最高品質設定ではGPUに100%近い負荷がかかるのでCPUでの性能差は出にくくなります。どれも似たような数値になっています。
ウォッチドッグス レギオン フルHD 低品質
このゲームはかなり負荷がかかるのでFPSが出にくくなっています。11900Kと10900Kはほぼ同じ数値、5950Xがそれより少しだけ高い数値となっています。
ウォッチドッグス レギオン 4K 最高品質
4K画質ではGPUに高負荷がかかるのでFPSの差はほとんどなくなります。3つとも横並びの数値となりました。
Apex Legends フルHD 低品質
3つとも大体MAXの300FPSが出ていました。しかし11900Kと10900Kは300FPSをキープできず、299FPSになることも多かったですが、5950Xは300FPSに張り付いていたので性能差を感じました。
Apex Legends 4K 最高品質
この設定でもあまり差は見られませんでした。強いて差を上げるとするなら、ゲーム開始直後はIntel系のCPUのほうがFPSが高く、時間が経つにつれ5950XのFPSが高くなってきました。いずれにせよGPUに多くの負荷がかかる設定なのでハイエンドCPUでは差は有りません。
フォートナイト フルHD 低品質
5950XはIntel系より50から100FPSほど高い数値が出ました。11900Kと10900Kとの比較では、景色が広くオブジェクトが多くなる場面では11900Kの方が10900Kより10FPSほど高いこともありましたが、それ以外のシーンでは10900Kの方が20から30FPS高くなりました。二枚目のような、プレイヤーが4人ほどいて、負荷がかかる場面においても10900Kの方が11900Kより10FPSほど高い数値を出していました。このときも5950Xはずっと高いFPSを維持し続けており頭一つ抜けている印象。
フォートナイト 4K 最高品質
この設定ではFPSの差は殆どありません。
11400F VS 10400F 11700K VS 10700K 性能比較
ここからは自分たちの所有している実機で、11400Fと10400F、11700Kと10700Kの性能を比較していきたいと思います。
検証機の主要なパーツは以下のとおりです。
- CPU…11700K、10700K 、11400F、10400F
- CPUファン…SCYTHE 虎徹 MarkⅡ
- GPU…RTX3080
- メモリ…G.Skill 8GB*2枚 合計16GBクロック数はメーカー保証の最大値(3200MHz )
- マザーボード…Z590 ROG STRIX(前半)、Z590 CARBON WIFI(後半)
11400F VS 10400F 性能比較
11400Fと10400FのCPU-Zの画像です。11400FはIPCが向上しており、10400Fよりベースクロックが低く設定されています。またPCIe 4.0に対応。メモリの保証帯域が3200MHzまで広がっています。
CHINEBENCH R23
CHINEBENCH R23 を動かしているときの発熱、消費電力を表示した画面です。11400Fのほうがピーク時で4℃ほど上昇、消費電力も10Wほど上がっています。
スコアの結果を並べた画像です。11400Fの方が10400Fより、マルチコア性能で300ほどアップ、シングルコア性能では30ほど上がっています。全体的に見て11400Fのレンダリング性能は10400Fより5~10%ほど性能がアップしています。
Time Spy Score
11400Fは10400Fに比べて100ほどCPUスコアで上回っています。
Time Spy Extreme Score (4K)
こちらでも11400Fの方が10400Fより50ほど高い数値になりました。IPC向上による性能アップの差がしっかり表れています。
11700F VS 10700K 性能比較
次に11700Kと10700Kの性能比較です。
CPU-Zの画像です。こちらもICP向上によりベースクロックが低く設定されているのがわかります。こちらもPCIe 4.0に対応。メモリの保証帯域が3200MHzまで広がっています。
CHINEBENCH R23
CHINEBENCH R23 を動かしているときの発熱、消費電力を表示した画面です。11700Kは10700Kよりピーク時で4℃ほど高くなっており、消費電力は10W上昇しています。
11700Kが10700Kよりもマルチコアで700ほど上昇、シングルコアで1000ほど上昇していることがわかります。11400Fと10400Fの性能差よりもこちらの方が大きくなっています。レンダリング性能では10%以上向上していることになります。
Time Spy Score
11700Kの方が500ほど高い数値が出ています。
Time Spy Extreme Score (4K)
同じように11700Kの方がCPUスコアで350ほど高い数値になっています。このベンチマークの結果でも11400Fと10400Fの性能差よりも大きい差が出ていることがわかりました。
5800X VS 11700K VS 5600X VS 11400F 性能比較
ここからは自分たちの所有している実機で、5800X、11700K、5600X、11400Fの性能を比較していきたいと思います。
検証機の主要なパーツは以下のとおりです。
- CPU…11700K、10700K 、11400F、10400F
- CPUファン…SCYTHE 虎徹 MarkⅡ
- GPU…RTX3080
- メモリ…G.Skill 8GB*2枚 合計16GBクロック数はメーカー保証の最大値(3200MHz )
- マザーボード…Z590 ROG STRIX(前半)、Z590 CARBON WIFI(後半)
- CPU…5800X、5600X
- CPUファン…SCYTHE 虎徹 MarkⅡ
- GPU…RTX3080
- メモリ…G.Skill 8GB*2枚 合計16GBクロック数はメーカー保証の最大値(3200MHz )
- マザーボード…B550 TUF
CPU-Zの画像です。上2つがIntel製11700K、11400F。下2つがAMD 5800X、5600Xです。
CHINEBENCH R23
CHINEBENCH R23を動かしているときのCPU温度と、消費電力の画像です。特に目立つのが11700Kの消費電力の高さでしょう。Ryzenシリーズのワットパフォーマンスの高さがよくわかります。
最終スコアをまとめた画像です。11700Kはマルチスコアではちょうど5800Xと5600Xの間。しかしシングルスコアでは5600Xより100低くなっています。11400Fはベースクロックが低いので、あまり強い負荷がかからないCHINEBENCH R23では高いスコアが出ませんでした。
CHINEBENCH R20
R23より負荷が大きいCHINEBENCH R20での結果をまとめたグラフです。高い負荷がかかると11700Kや11400Fのスコアが伸びます。11400Fはマルチコア性能、シングルコア性能において3600Xを上回る結果となりました。11700Kも5600Xより高いスコアになりました。11700Kは値段の割にスコアでは健闘していますが、消費電力が高く5800Xよりスコアが低いので、ワットパフォーマンスが悪いです。
Geekbench 5
このベンチマークでもCHINEBENCH R23と似たような結果になりました。11700Kはマルチコアスコア7900となり5800Xと5600Xの間くらい。シングルコアでは1270となり5800Xとほぼ同じになりました。
5800X VS 11700K VS 5600X VS 11400F ゲーミング性能比較
Time Spy Score
5800Xと11700Kを比較すると、5800XのほうがCPUスコアで100ほど高くなっていますが、僅差です。11700Kと5600Xとの比較では、11700KのほうがCPUスコアで2800ほど高い数値になっているのではっきりとした性能差があります。5600Xと11400Fとの比較では、5600Xの方がCPUスコアで1500ほど高い数値なので、こちらも差が大きいので性能差はあるでしょう。
Time Spy Extreme Score (4K)
4Kになって負荷が上昇したTime Spy Extreme Scoreの結果です。5800Xと11700KのCPUスコアは150ほどの僅差なので大きい性能差は有りません。11700Kと5600Xとの比較では、11700KのほうがCPUスコアで1000以上高くなりました。5600Xと11400Fも1000ほど5600Xの方が高くなっています。
レインボーシックスシージ フルHD設定 低品質
このゲームでは全体的にRyzenの方がIntelより高いスコアを出しています。5800Xが744FPSとなり頭一つ抜けている感じです。5600Xは11700Kより170以上高いFPSが出ています。
レインボーシックスシージ 4K設定 最高品質
この設定ではGPUに100%近い負荷がかかり、CPUへの負荷が減るので全体的に同じ数値になりました。
ウォッチドッグス レギオン フルHD 低品質
このゲームは非常に重たいゲームとなっています。5800Xと11700Kを比較すると、両方とも平均FPSが100なのでほぼ同じ性能。5600Xは平均FPSが97なので先程の2つのCPUより少しだけ性能が落ちています。11400Fは5600Xより平均FPSが10FPS低いので性能差を感じるでしょう。
ウォッチドッグス レギオン 4K 最高品質
レインボーシックスシージの4Kのときと同じようにGPUに負荷がかかるゲームでは平均FPSにほとんど差が見られませんでした。
CPU平均FPS(16タイトル)
他のCPUとのFPSの比較をグラフにした画像です。値段通りの性能順になっていました。11700Kはトータルで5800Xには敵いませんが、ゲームタイトルによっては5800X前後のスコアを出すこともあるので、コスパが高い製品といえます。11400Fはライバルの3600よりゲーム性能が高く2万円前後で購入できるので狙い目です。
まとめ
第11世代Coreプロセッサー「Rocket Lake」シリーズは、コアの性能を上げるため10nmプロセスから14nmプロセスへ逆行し、消費電力を上げてAMDに対抗しようとしたCPUです。
それでもZen 3 7nmプロセスで構成されたRyzenシリーズに、消費電力の悪さはもちろん、全体性能でも劣ってしまっています。
11900Kは決して悪い性能ではありません。シングルスレッドやゲームでも高水準です。しかし、前世代の10900Kより突出して性能が向上したわけではありません。ゲーミング性能では10900Kより低いスコアを記録しています。しかも10900Kよりも値段が高いので非常にコストパフォーマンスが悪いCPUで有ることに間違いありません。お金をかけずに最高のパフォーマンスを得たいという人は
AMD Ryzen 7 5800XまたはRyzen 9 5900Xの方がお得です。
11700Kは、AMDのRyzen 5000製品群の中で大きな価格差がある部分に位置しているため、競合他社の追随を許さない余地があります。しかし消費電力が高く、全体の冷却性能を考慮に入れると、Ryzen 7 5800Xのほうがいいかもしれません。
11600Kは、10600Kと比較して10%から20%高速化しており、インテルが主張する20%のIPC向上と一致しています。ほとんどの場面で5600Xに匹敵する性能を発揮するということです。しかし消費電力は悪くなるので、ワットパフォーマンスは低いです。
11400FはRocket Lakeの中で唯一コストパフォーマンスが良いCPUです。11600Kとの性能の差はありますが、金額に見合うほどの差では無いので11400Fで十分です。11400Fは内蔵グラフィック機能が省かれていますので、好きなグラフィックカードを買ってゲームを楽しむことが出来ます。
いずれにせよ14nmプロセスのという全く進化していない製造方法が性能、消費電力全てに対して悪い影響を与えている気がします。無理にこのシリーズを買う必要は無いでしょう。
参考
https://www.youtube.com/c/Monoras
https://www.techspot.com/
https://www.techpowerup.com/
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