GeForce GTX 1630 性能情報
Nvidiaは新しいGeForce GTX 1630を発売しました。型番の数字から予想できるように、この製品はGTX 1650のコストダウンバージョンです。旧来の「Turing」グラフィックスアーキテクチャをベースに、リアルタイムレイトレーシングやDLSSのサポートを持たない16シリーズに位置づけられるGTX 1630は、NVIDIAの新しいエントリーレベルの製品です。 価格や性能からAMD Radeon RX 6400およびIntel Arc A380がライバルになりそうです。GTX 1650は2019年にリリースされた製品ですし、その更にコストダウンバージョンということで性能は全く期待できませんが実力はどれほどのものなのでしょうか。確認していきましょう。
GTX 1630 基本性能
GTX 1630のスペックを表にまとめました。比較用に他のGPUも記載してあります。
価格 | シェーダー数 | ROPs | コアクロック | ブーストクロック | メモリクロック | 内蔵GPU | Transistors | メモリ | |
GT 1030 | $80 | 384 | 16 | 1228 MHz | 1468 MHz | 1500 MHz | GP108 | 1800M | 2 GB, GDDR5, 64-bit |
GTX 1630 | $150 | 512 | 16 | 1740 MHz | 1785 MHz | 1500 MHz | TU117 | 4700M | 4 GB, GDDR6, 64-bit |
GTX 1650 | $170 | 896 | 32 | 1485 MHz | 1665 MHz | 2000 MHz | TU117 | 4700M | 4 GB, GDDR5, 128-bit |
RX 6400 | $160 | 1024 | 32 | 2039 MHz | 2321 MHz | 2000 MHz | Navi 24 | 5400M | 4 GB, GDDR6, 64-bit |
GTX 1650 Super | $200 | 1280 | 32 | 1530 MHz | 1725 MHz | 1500 MHz | TU116 | 6600M | 4 GB, GDDR6, 128-bit |
RX 5500 XT | $200 | 1408 | 32 | 1717 MHz | 1845 MHz | 1750 MHz | Navi 14 | 6400M | 4 GB, GDDR6, 128-bit |
GTX 1660 Super | $210 | 1408 | 48 | 1530 MHz | 1785 MHz | 1750 MHz | TU116 | 6600M | 6 GB, GDDR6, 192-bit |
Intel Arc A380 | $135 | 1024 | 32 | 2000 MHz | 2400 MHz | 1938 MHz | DG2-128 | 7200M | 6 GB, GDDR6, 96-bit |
RX 5600 XT | $230 | 2304 | 64 | 1375 MHz | 1560 MHz | 1500 MHz | Navi 10 | 10300M | 6 GB, GDDR6, 192-bit |
RX 6500 XT | $175 | 1024 | 32 | 2685 MHz | 2825 MHz | 2248 MHz | Navi 24 | 5400M | 4 GB, GDDR6, 64-bit |
RTX 2060 | $250 | 1920 | 48 | 1365 MHz | 1680 MHz | 1750 MHz | TU106 | 10800M | 6 GB, GDDR6, 192-bit |
RTX 2060 Super | $350 | 2176 | 64 | 1470 MHz | 1650 MHz | 1750 MHz | TU106 | 10800M | 8 GB, GDDR6, 256-bit |
RX Vega 64 | $380 | 4096 | 64 | 1247 MHz | 1546 MHz | 953 MHz | Vega 10 | 12500M | 8 GB, HBM2, 2048-bit |
RX 5700 XT | $320 | 2560 | 64 | 1605 MHz | 1755 MHz | 1750 MHz | Navi 10 | 10300M | 8 GB, GDDR6, 256-bit |
RTX 3050 | $340 | 2560 | 32 | 1552 MHz | 1777 MHz | 1750 MHz | GA106 | 12000M | 8 GB, GDDR6, 128-bit |
RTX 2070 | $300 | 2304 | 64 | 1410 MHz | 1620 MHz | 1750 MHz | TU106 | 10800M | 8 GB, GDDR6, 256-bit |
RX 6600 | $280 | 1792 | 64 | 2044 MHz | 2491 MHz | 1750 MHz | Navi 23 | 11060M | 8 GB, GDDR6, 128-bit |
RTX 3060 | $380 | 3584 | 48 | 1320 MHz | 1777 MHz | 1875 MHz | GA106 | 12000M | 12 GB, GDDR6, 192-bit |
GTX 1630はGTX 1650と比較して42%少ないコア(512コア)、42%少ないテクスチャマッピングユニット、そして半分の16だけのROPsを備えています。コアクロック周波数は7%アップの1,785MHzとなりましたが、メモリバスは半分の64bit、GDDR6メモリを4GB搭載して帯域幅は96GB/sと、GTX 1650から25%ダウンしている。
それでいて希望小売価格は150ドルで、実際には170ドルから200ドルの間で取引されることを考えると性能と価格が全く釣り合っていないGPUと言えるでしょう。マイニングブームが落ち着いて、グラフィックカードの需要は減ってきている今、この製品を発売したのはちょっと謎です。
GTX 1630 ゲーミング性能
GTX 1630のベンチマーク結果を見ていきましょう。GPUの性能をフルにテストするためRyzen 9 5950Xを使用したシステムで計測しています。この価格帯のGPUで1440p以上の解像度でゲームするユーザーはいないと思われるので、1080pの解像度で各ゲームタイトルに適した画像設定を使用しています。いくつかのゲームタイトルのFPSを計測し、平均値をグラフにしました。
GTX 1630 解像度フルHDの平均FPS ベンチマーク
型番 | FPS |
Radeon RX 6600 |
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Radeon RX 5600 XT |
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GeForce RTX 3050 |
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Radeon RX 590 |
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GeForce GTX 1650 Super |
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Radeon RX 5500 XT [4GB] |
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Radeon RX 6500 XT [PCIe 4.0] |
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Radeon RX 570 [4GB] |
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Radeon RX 6500 XT [PCIe 3.0] |
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GeForce GTX 1650 |
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Radeon RX 6400 [PCIe 4.0] |
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Radeon RX 6400 [PCIe 3.0] |
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GeForce GTX 1050 Ti |
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GeForce GTX 1630 |
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この結果からわかるように2022年に発売されたGTX 1630はゲーム目的で買うのは不十分の性能です。通常ゲームを快適に楽しめる60fpsを大きく下回る平均37fpsしか出ていないからです。GTX 1630と比較するとGTX 1050 Tiは16%速く、RX 6400はPCIe3.0を使用するとほぼ40%速くなりますし、PCIe 4.0で使用すると60%強高速になります。 また、GTX 1650は65%早く、2017年発売の古いRX 570はほぼ80%上回っています。計測したゲームの中には、GTX 1630がベースにしているTU117シリコンよりも古い2018年に発売されたゲームも含まれていますが、その時もわずか30fpsしか出ませんでした。すべてのゲームにおいてGeForce GTX 1050 Tiのほうが高いfpsを記録しており悲惨な結果と言えるでしょう。
GTX 1630 消費電力比較
型番 | 消費電力(W) |
GeForce GTX 1630 |
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GeForce GTX 1050 Ti |
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Radeon RX 6400 [PCIe 4.0] |
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GeForce GTX 1650 |
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GeForce GTX 1650 Super |
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Radeon RX 6500 XT [PCIe 4.0] |
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Radeon RX 5500 XT [4GB] |
|
GeForce RTX 3050 |
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Radeon RX 6500 XT [PCIe 3.0]Radeon RX 6600 |
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GeForce GTX 1650Radeon RX 570 [4GB] |
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Radeon RX 6400 [PCIe 4.0]Radeon RX 5600 XT |
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Radeon RX 590 |
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GTX 1630は、GTX 1650と同様に75Wのグラフィックスカードで、推奨電源は300Wのユニットです。外部電源を使用せず、PCIe x16スロットから必要な電力だけを取り出すことができます。一部のベンダーは、6ピンのPCIe電源コネクタを1つ追加していますが、これは必要ないはずです。GTX 1630は、GTX 1050 Tiよりもわずかに消費電力が少ないだけで、ワットあたりの性能は悪いです。
まとめ
GeForce GTX 1630は、ゲーミンググラフィックスカードとしての価値はほとんど無いと言っていい製品です。2016年に発売されたGeForce GTX 1050 Tiよりも性能は低く、値段が高いというデメリットしかありません。
現状安いグラフィックカードが欲しい場合、この製品を新品で買うより質のよい中古品を購入した方が良いでしょう。GTX 1650 Superなどは安く購入できますし、GTX 1630よりも約125%高いパフォーマンスを発揮します。新品で安いグラフィックカードが欲しい場合は、Radeon RX 6400がおすすめ。
Radeon RX 6400はレイトレーシングをサポートしていますが、GTX 1630はTU117チップを採用しているので、RTコアとTensorコアが無く、レイトレーシングやNvidiaのDLSS技術を利用することが出来ません。特にDLSSはGTX 1630のようなボトムエンドのグラフィックスカードにとって有益なものであるため残念です。AMDは最近、FidelityFX Super Resolution 2.0 (FSR 2.0)通称”FSR”と呼ばれる独自のアップスケーリングアルゴリズムをリリースしましたが、これはGTX 1630を含むすべてのメーカーのすべてのGPUで動作するため、GTX 1630を購入した人はAMDの技術を活用してゲーム性能を向上させることができるのは面白い現象です。
GTX 1630の唯一の救いは、VP8とH.265コーデックをサポートするマルチメディア性能です。また、ゲームプレイの録画やモニターからの画面キャプチャーのために、より新しいNVENCエンコーダーを搭載しています。それで、すごく古いPCのGPUをパワーアップさせたい時に初めて、購入リストの候補になることもあるかもしれない製品です。
参考
https://www.tomshardware.com/
https://www.techspot.com/
https://www.techpowerup.com/
https://videocardz.com/
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