(難易度:★★★☆☆)
このページではMicrosoft Excelの基本操作について説明します。
Excelではデータを簡単にグラフ化することができます。きれいなグラフを書くという意味ではグラフ描画専門ソフトと比較するとやや劣りますが、簡単、短時間でグラフ描画できるメリットは非常に大きいものです。
今回はグラフの描画方法について説明していきます。
目次
Excel グラフを書く意味
グラフを書く意味は色々ありますが、データを見た目でとらえられることが何よりの目的になるでしょう。
例えば下図をご覧ください。数字だけでははっきりと見えませんでしたが、グラフ化すると一つだけおかしなデータが紛れていることがわかりますね。
グラフ化例
全体のグラフから傾向を見る、異常を発見する、分布を確認する、割合を見える化する等様々な用途で使われますが、見た目でとらえられるようになるという点では変わりません。
ではどのようなグラフを描くか。何を見たいかを定めて一番効果的なグラフを選択するというのが理想です。そのためにはいろんなグラフを知り、試行錯誤することが必要になります。
その意味で、簡単にグラフを描けるExcelはとても強力なツールとなります。
Excel グラフの作り方,書き方【円グラフ,棒グラフ,積み上げグラフ】
まずは折れ線グラフで、そのグラフの簡単な書き方を解説します。
次の表で折れ線グラフを書いてみましょう。
今回グラフを書いていく元データ
これは学生それぞれの5教科の点数と合計点を表にしたものです。ここから横軸に各教科、縦軸が点数のグラフを作成します。まずグラフ化したい範囲を選択します。横軸の範囲と、グラフ化する点数が書いてある範囲を選択します。列が離れているときはCtrlを押しながらクリック&ドラッグすると選択できます。ここでは一番上の生徒の点数を選択します。
グラフ範囲とグラフの選択
次に、挿入タグからグラフを選びます。ここでは折れ線グラフを選びます。円グラフや積み上げグラフもこちらから選択することができます。
折れ線グラフの選択
これで自動的にグラフを描画してくれます。
グラフ描画結果例
グラフが想定と違う場合はデータ範囲を修正します。グラフ上で右クリックし、データ範囲の指定をクリックします。次に要素を選び、編集をクリック、”Yの系列”で点数が書いてある範囲を選択します。
データ範囲指定
これでまずはグラフがかけました。
Excel グラフの書式設定
グラフが描けたらグラフの書式を設定します。よく調整する項目に絞って説明します。
グラフエリアの書式
グラフの大まかなスタイルを選びます。グラフを選択すると”グラフのデザイン”タグが現れるので、タブを開きグラフのスタイルからお好みに近いスタイルを選びます。これだけでもある程度きれいなグラフになります。
グラフスタイルの選択例
気にったものがなかったり、調整したい場合は個別で設定していきます。ここでは例としてグラフの背景色とグラフの線の色を説明します。背景色を変更するときはグラフの中で、折れ線の線が走っていないところを右クリックし塗りつぶし色を変更することで実現できます。また折れ線の色は、折れ線を右クリックで選択し、線の色を変更します。
グラフの色の設定例
このように、画像を編集するような要領で線の色や背景色を編集できます。
同じように、軸の時の大きさやフォントを変更するときは軸を選択し、”ホーム”タグよりフォントを編集する等、外観に関する様々な操作ができます。
こちらでは説明しきりませんが、是非色々触ってみてください。
軸の書式
軸の書式は、前述のフォントのほかに、軸の間隔、線の有無、グラフ交点の設定などグラフ全体の見た目に関わるパラメータも多く存在します。
特に人に見せる資料ではない場合でも良く触るのがこの書式設定です。
まず、軸を右クリックし”軸の書式設定”をクリックします。
右側にウィンドウが出てくるのでこちらを編集していきます。
今回点数がすべて50点以上なので、表示範囲を50~100点、目盛間隔を10点で表示してみます。設定は簡単で、書式設定内の最大値に100、最小値に50、単位→主に10を入力すれば完了です。軸設定もグラフ毎にいくつか項目があるので、是非色々触ってみてください。
軸の書式設定例
グラフ要素の設定
これでおおよそのグラフ書式はマスターです。あとは細かなところの配置や設置有無の調整を実施します。今回は凡例を付けてみます。グラフを選択し、”グラフのデザイン”タグが現れたらその中から左側の”グラフ要素を追加”をクリックします。ここからいろいろな細かい設定が可能となります。今回は凡例をクリック、右側につけてみましょう。
凡例の設定
そうするとワンタッチで、グラフ上に”系列1”の文字が出てきました。これが何なのか、もう少し深堀します。
先ほどからグラフ化してきた点数は、学籍番号13001の人の点数です。これを表すために、グラフのデータ選択から”系列の名前”に、学籍番号のセルを選択します。これでOKをクリックすると凡例とタイトルが”13001″に変わると思います。再度グラフをクリックしてグラフの表示範囲を表示させ、その右下の小さな四角を下にドラッグしてみてください。
系列名の設定と、グラフ表示範囲の拡張
そうすると、グラフに描画されるデータ数が増えます。色分けされていますが、このときに右側の”凡例”に、グラフの色と学籍番号の紐づけが表示されるため、どのグラフが誰のグラフかわかるようになります。
グラフ作成例
このように、グラフ処理する際ははじめ1系列のデータで書式設定等を諸々実施し、最後にドラッグして表示範囲を拡張する方法が設定しやすくておススメです。ただし、手順は決まったやり方はないので色々触りながら自分に合ったやり方を探してみてください。
Excel グラフの種類
他にはどんなグラフがあるでしょうか?代表的なものをご紹介します。
散布図
散布図はX軸とY軸がともに数値で、XとYの関係性をプロットして全体の傾向を見るためのグラフです。研究や技術開発の現場では特によく使用されるグラフです。
散布図の例
上図だと、数学の点数が高い人は理科の点数も高い傾向にあることがわかります。このグラフは相関関係の確認、異常点や分布外れの発見、近似関数の推定などに役立ちます。
棒グラフ・積み上げ棒グラフ
棒グラフは横軸が分類で縦軸が個数や価格などの数値の時によく用いられます。
積み上げ棒グラフは、それぞれの分類の内訳を色分けで表します。
積み上げ棒グラフの例
上図では、各科目の点数が色分けして表示、合計点が合計の棒の長さで表されています。このグラフは営業や経理などでよくみられるグラフで、内訳を分析したいときや時間経過等に従う値変化の確認などに役立ちます。
円グラフ
円グラフは各分類が全体の何パーセントを示すか、というときに用いられます。
円グラフの例
上図では、80%以上の人が300点以上を獲得していることがわかります。このグラフはアンケートの集計など、割合調査したいときに役立ちます。
レーダーチャート
レーダーチャートは折れ線グラフを放射状に並べたグラフで、各要素の値を図形の形や面積としてとらえられるグラフです。
レーダーチャートの例
能力値評価など、各値が高いほど良い結果になるようなデータを捉えるときなどに役立ちます。
グラフの種類はこれ以外にもあり、書式の設定項目もグラフ毎に多岐にわたります。いろいろ触ってみてきれいな描画を目指してみてください。
Excel 2軸グラフの描画
最後に2軸グラフに触れておきます。2軸グラフは2つグラフを重ねて表示する方法です。右と左の縦軸が違う軸を表します。一見見づらそうに感じますが二つのグラフの関連性を表すことに優れており、意外と身近に使われています。この2軸グラフを自由に描けるようになればグラフ描画はマスターといって良いでしょう。
学生一人一人の各科目の点数と、合計点を重ねる例で実践してみます。まずはすべてを同じグラフに載せてみます。そうすると合計点だけ高い点数になるので、各教科の点数の推移がつぶれてしまいよく見えないので、合計点は違う軸で表示しましょうと考えます。
まず合計点のグラフで右クリックし、”データ系列の書式設定”をクリックします。そうすると右側にプロパティウィンドウが出てくるので、ここの第2軸を選択します。
2軸目の縦軸設定方法
そうすると、グラフの右側に軸が現れます。あとは右側の軸で表したいグラフを同様に第2軸に設定して、左右それぞれの軸の書式設定を行います。さらに見やすいように書式設定をすることで、別の軸のグラフを重ねて確認することができます。
2軸グラフの完成
少々描画手順は面倒ですが、効果は大きいので描き方だけでも押さえておくことをおススメします。
まとめ
今回はグラフ描画に関して説明しました。
グラフを書く時は読み手に何を伝えたいかを考え、最適なグラフを選択することが重要となります。
そのためにはいろいろなグラフを知っておかなければなりません。積極的にグラフ描画を取り入れ、様々なグラフに触れることで理解していき、Excelをさらに強い武器にしていきましょう。Excelの操作(概念・導入編) Excelでできること【第1章,難易度★☆☆☆☆基本編】
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