(難易度:★☆☆☆☆)
このページではMicrosoft Excelの基本操作について説明します。
デスクワークではExcelの活躍機会が多いです。今回はこれからExcelを使い始めようとする人向けにExcel内での基本操作を解説していきます。
Excel内で使われる名称
どんなソフトウェアでもそうですが、Excelでも色々と特有の名称があります。基本操作について説明する前に、まずはこの名称について説明します。
- ブック・・・一つのエクセルファイルのことを”ブック”と呼びます。
- シート・・・一つの表形式のページを”シート”または”ワークシート”と呼びます。多くの場合、複数の”シート”により”ブック”を構成します。
- セル・・・値を入力できるマス目一つ一つのことを”セル”と呼びます。また、選択されているセルを”アクティブセル”と呼びます。
- 行(row)と列(column)・・・エクセルでは横の並びを”行”または”row(ロー)”、縦の並びを”列”または”column(カラム)”と呼びます。行は数字、列は英字で表されます。例えば行番号2,列番号Bのことを、B2セルなどと呼びます。
- 数式・関数・・・セルの中には文字列のほかに計算式を記載します。この場合、”数式”を入力する、などと言います。数式の中では、あらかじめExcelが用意した機能ブロックを頻繁に利用します。この機能ブロックを”関数”と呼びます。
- タブ・・・Excelの機能はグループ分けして上部に用意されています。このグループ名を表す、エクセル上部の”ファイル”、”ホーム”、”挿入”等の見出しを”タブ”と呼びます。
Excel特有の名称
この記事やネット上の情報ではこのような名称が使われますので、理解して進めましょう。
Excel入力に関する基本操作
入力自体はExcel以外でも行っているように直接文字を入力する方法と、コピー&ペーストがありますが、Excelではセルに入力する特性上、入力方法にクセがあります。
ここではその中からよく使うものを抜粋して説明します。
直接入力するとき
文字列の入力
単純な文字列の入力は、入力したいセルにカーソルを合わせて文字列を入力すればOKです。
ExcelではEnterキーを押下すると、一つ下の行へカーソルが移動します。セル内で改行するには「Alt」押しながらEnterを押下することで実行できます。
セル内の改行
入力済みの文字列の修正
Excelでは、入力済みセルの上で文字列入力を始めると、入力済みの文字列は消えてしまいます。これを回避して入力済み文字列の一部を修正・追記する場合は、セルをダブルクリックします。
ダブルクリックするとカーソルがセル内の文字列に移りますので、修正が必要な場所をクリックし、メモ帳等と同じように文字入力を行います。
マウス操作が煩わしい場合は”F2″キーを押すことでセル内の文字列にカーソルを移すことができます。”F2″を押下後に、キーボードの左右キーで修正箇所まで移動し、文字列を修正してください。
文字列修正の例
数式の入力
セルに数式を入力するときは、頭文字を”=”として入力を始めます。
例えば、セルに”=1+1″と入力すると”1+1の答えである”2″が表示されます。
数字を文字列として入力
数字を文字列として入力したり、”=”や”=1+1″を出力させたいときもあると思います。
そんな時は頭文字に”‘”(シングルクオーテーション)を付けて入力することで、文字列として表示させることができます。
数式の入力例
Excelコピー&ペーストで入力するとき
Excelでコピー&ペーストを実施するときには、形式を意識した貼り付けが大事になります。数式として貼り付けるのか、値として貼り付けるのか、文字列なのか、セル書式は引き継ぐのか等状況によって貼り付けのプロパティを変更する必要があります。
ここではよく使う貼り付け方法について解説します。
貼り付け
Excelにおいて、コピーの仕方は大きく2種類あります。1つはセルをコピーする方法、1つは文字列をコピーする方法です。
セルをコピーする場合は、コピーするセルにカーソルを当て、右クリック⇒コピー または”Ctrl+C”でコピーを実施します。
コピーできると、コピー元のセルの淵が太枠点線表示になります。このとき、セルの書式も含めてコピーされています。
次に貼り付け先のセルにカーソルを合わせ、右クリック⇒貼り付け または”Ctrl+V”で貼り付けを実行します。
この場合は数式として貼り付けられます。コピーしたセルが、参照を含んだ数式の場合は参照先が変わっているため確認しましょう。
一方で文字列をコピーする場合は、前述した入力済みの文字列の修正と同じ手順でセル内の文字列範囲を選択し、コピーします。
貼り付けはセルをコピーするときと同じ手順ですが、このときはセルの情報はコピーされず、セルに文字列を手入力したときと同じように貼り付けされます。
値の貼り付け
数式の”結果だけ”を別のセルで使いたいときには、値の貼り付けを実施します。
セルをコピーし、貼り付けたいセルで右クリック⇒形式を選択して貼り付け を選択します。
これにより、計算結果を直接入力したような貼り付けを実現できます。
形式を選択して貼り付けは、”Ctrl+Alt+V”でも実行できます。
結果だけを貼り付けているので、コピー元の値が変わってもコピー先のセルへは反映されないので注意が必要です。
書式貼り付け
文字の色やフォント等を他のセルと合わせたいときなどは、書式貼り付けを行います。
値の貼り付けと同じ手順にて、”書式”を選択します。この場合は値や数式など書式以外の内容は貼り付けられません。
行と列を交換して貼り付け
上記のほかの例と比べると頻度は高くないですが、縦横を交換して表示したい場面が出てきます。その場合には、値の貼り付けと同じ手順にて、”行/列の入れ替え”にチェックを入れます。
この入れ替えは配置の変更になるので、値の貼り付けや書式の貼り付けと同時に設定することができます。
形式を選択して貼付けの例(赤枠は紹介した項目)
セルのコピー・貼付けの例
Excelでよく使うショートカットキー12選
ショートカットキーを使うことによる効果は、もちろん時間短縮がメインです。合わせてマウス操作より間違いが起こりにくい人もいるのではないかと思います。初めから設定されているショートカットキーの多くは他のアプリケーションでも同様の使い方ができるので(特にMicrosoftのアプリケーション)、よく使うものについては覚えてしまうことをおススメしています。
実際に全選択、コピー、形式を選択して貼り付け等は頻繁に使う上、マウスで同じ操作を行うのに1~2秒かかるのに対し、ショートカットキーを使うと0.5秒未満で操作が完了するので効果は大きいと思います。以下では筆者の独断と偏見でよく使うショートカットキーを上げてみましたのでご参考ください。
- Ctrl + A: 全選択
- Ctrl + C: コピー
- Ctrl + Alt + V: 形式を選択して貼り付け
- Ctrl + P: 印刷
- Ctrl + Z: 一つ戻る
- Ctrl + Y: 一つ進む
- Ctrl + D: すぐ上のセルと同じ処理
- Ctrl + S: 上書き保存
- Ctrl + H: 置換(検索もできる) ※検索のみならCtrl + F
- Ctrl + PageUp, Ctrl + PageDown: 隣のシートへ移動する
- F12 : 名前を付けて保存
- Windows + Shift + S : 指定範囲のスクリーンショット
Excel計算に関する基本操作
基本は前述のとおり、頭に”=”を付けることで数式として入力したことを示せます。数式を入力するときは、数式の入力規則に従っている必要があります。
例えば、セルに”=3*4″と入力すると3×4の答えである”12″が表示されます。また、平均を求める関数AVERAGE()を用いて、”=AVERAGE(1,2,3)”と入力すると、(1+2+3)/3の答えである”2″が表示されます。
Excelを用いた計算は多岐にわたります。数式や関数の詳細は別ページにて解説しますので、よろしければご参考ください。
Excel印刷・表示設定に関する基本操作と注意点
シートを印刷するとき、特に提出書類などは見栄えを意識したいですよね。
Excelでは文字の色や背景色は”セルの書式設定”等でセルごとに設定することができます。また、セル自体の大きさや、印刷範囲も指定できますので、この項で解説します。
セルサイズの変更の仕方
セルのサイズは、行番号・列番号が書いてある場所をドラッグすることで自由に変更できます。文字列に合わせた調整を行いたい列番号の右端、行番号の下橋をダブルクリックすることで、文字の幅に合わせたサイズ調整が行えます。
複数の行/列を選択した状態でセルサイズを変更すれば一括で変更もできます。
列幅調整の例
セル書式の変更の仕方
セル書式の変更はセルで右クリックをし、セルの書式設定を選び各種設定を行います。フォントや背景色の変更や罫線の設定を実施できます。
よく使うセルの書式設定
またこれらの一部はエクセル上部タブや、右クリック時に出てくるツールバーでも設定できます。
印刷範囲の指定方法【改ページプレビュー】
印刷範囲の設定の仕方は複数ありますが、直感的に設定できる改ページプレビューが有効です。
設定には、”表示”タグから”改ページプレビュー”を選択します。
ページに表示されている青ラインをドラッグし、印刷範囲を指定します。
印刷の方向や余白幅など、印刷範囲の指定以外の設定は”ページレイアウト”タグから設定しましょう。
改ページプレビューと印刷設定の設定箇所
上記設定をしながら、印刷プレビューや印刷結果を確認して調整します。
印刷前に確認すべきこと
注意点として、Excelは本来表計算を行うソフトウェアのため、本来は書類を作成するための調整はされていません。
(書類作成はWordなどが本分です)
そのため、PC上と印刷時の見た目が異なる場合があります。
必ず事前に印刷プレビューや実際の印刷物を確認し、文字が切れていたりしないか確認をしましょう。
Excelセルやシートの追加に関する基本操作
実際にExcel作業をしていると、行や列を追加したい、シートを追加したいという場面は頻繁に訪れます。そのやり方について説明します。
行や列の追加方法
行/列を間に挿入することもできます。行を挿入するときは挿入したい場所の一つ下の行、列を挿入するときは、挿入したい場所の一つ右の列を右クリックし、挿入をクリックすることで追加できます。
また、複数行を選択することで複数行挿入することもできます。
列挿入の例
行を挿入する際には一つ上の、列を挿入する際は一つ左のセル書式が引き継がれるので、留意しましょう。
シートの追加方法
シートの下側の”+”マークをクリックすることでシートを追加できます。追加したシートは、シート名をクリックすることで切り替えることができます。
シート追加の例
なおシート名は、右クリック⇒名前の変更 にて編集することができます。
まとめ
今回はExcelの基本操作について解説してきました。ここの内容を理解できればある程度自在にExcelを操れるようになると思います。
まずはここまでを習得し、思ったようにExcelを操作できるようになりましょう。Excelの操作(概念・導入編) Excelでできること【第1章,難易度★☆☆☆☆基本編】
Excelの基本操作【第2章,難易度★☆☆☆☆基本編 】
Excel レイアウト・出力設定【第3章,難易度★★☆☆☆基本編】
Excel 図形の描画【第4章,難易度★★☆☆☆基本編】
Excelグラフの作り方!円グラフ,棒グラフ,積み上げグラフの描画方法【第5章,難易度★★★☆☆基本編】
Excel 関数・数式の活用(計算・検索)【第6章,難易度★★★★☆基本編】
Excel マクロ・ショートカットキー【第7章,難易度★★★★★応用編】
Excel ピボットテーブルのやり方,作成方法【第8章,難易度★★★★★応用編】
Word,ワード 使い方まとめ初心者~プロまで【全1章~8章】
PowerPoint,パワーポイント 使い方まとめ初心者~プロまで【全1章~7章】
Excel,エクセル 使い方まとめ初心者~プロまで【全1章~8章】
Photoshopの使い方!初心者むけ最短上達の方法!写真加工などをプロが教える